アメリカの会社#1

yhsdiary2007-03-02

 アメリカの企業と日本の企業の違いなどを私の体験の範囲で紹介していきたいと思います。
「摩天楼(ニューヨーク)はバラ色に」と言う、マイケルJフォックスが演じる主人公のブラントリー・フォスターが、メールボーイでありながら、空き部屋となった重役室に入り込み、重役に成りすましてストーリーが展開する映画をご存知ですか。 こんなことがありえるのか・・・。 「全くないとも言えない」というのが私の経験です。 無理な演出もありますが、1ヶ月程度ならできるんじゃないかな。 その間にうまく社長などにコネを作って、そのまま重役って可能性もアメリカの雇用形態なら皆無とは言えないかもしれません。 あちこちの会社の重役を渡り歩いている人もたくさん居て、今日からうちの会社の重役といわれても、それほど疑わないと思いますし。 それ以前に、会社に入るセキュリティーがとてもアメリカは厳しいですので社外の人はまず入るのは不可能です。 でもメールボーイでだったら社内はどこでも行けますからね。
 マネージメント(日本の管理職とはちょっと違うかな)以上の職であれば、個人の部屋がもらえ秘書がつきます。 私も、入社時に10〜12畳くらいの2人部屋のオフィスをもらい、一応秘書もいました。 ルームメートは偶然同じグループの人でしたが、隣の部屋の人はどの部署で何をしていてどんな地位なのかなど全く知りません。 上司や同僚も歩いて10分も掛かる別のオフィスにそれぞれ居たりして、会議が無ければ1週間顔を合わせないこともあります。 隣の部屋の人が、実は重役クラスということも普通にありえます。 特に会社が大きければ、他部署の重役など名前も知らず・・・。 実話ですが、毎朝「よく会うなぁ」と思いながら、いつも手を振って”ハイ!”などと気さくに挨拶をしていた人が、自分の直属のバイスプレジデント(副社長)だったこともありました。 ちょっと冷や汗でしたが、仕方ないのでその後もそのまま通しました。 さすがにフランクな東洋人だと思ったかもしれません。 当時私は30才になったばかりで、周囲の人より事実若かったのですが、アジア人は更に若く見えるため、若さを武器にちょっとした失敗は笑い飛ばしていました。 ティーンエイジャーともよく間違えられましたよ。
 アメリカ企業の朝は早いです。 部署によっては朝7時から会議もあります。 朝8時ころに会社に行くと駐車場に空きが無く、少し離れた草原に停めたりもしました。 その分帰りも早い。 暗くなって帰ると、たくさんあった駐車場の車が全く無くなっていて、遠くの草原に自分の車がポツリと停まっていることもよくありました。夕方6時以降に会社に残っているのはセキュリティーの人か工場の夜間勤務の人、それとわずかな日本人だけでした。 サンダーストームの警報が出たときなどは、みんな3時ころには帰ってしまいます。 なぜ皆が慌てて帰るのかは暮らすとわかります。 サンダーストームのすごさは日本の雷雨とは全く違います。 道路冠水、信号停止、目の前に雷は落ちるし、雨は滝の様。 命にかかわることも十分ありえます。 そんな状況でもペンシルバニアは穏やかな気候と言われていましたから、アメリカの自然は大変驚異的なものだと思います。
 今後数回にわたってアメリカの会社の様子を紹介することにします。
右上の写真、コーン畑の先、丘の上に立つのが会社です。 何度かブログにも書いてますが、100年前の生活を維持している、アーミッシュやメノナイトの人たちが暮らす、大変のどかな環境でした。