追悼:柳沢光昭さん

 今日の午後、ブルーグラスメーリングリストから、私も大変お世話になり、尊敬しておりましたブルーグラスプレイヤーの柳沢光昭さんが急逝されたとの連絡がありました。
 この半年間、柳沢さんにはいろいろと親切にしていただき、「一緒に演奏しよう」と大変光栄なお声をかけていただいているところでした。 ブルーグラスボーカリストとして大変活躍されている方でしたので、私も長い間、存じ上げておりましたが、なかなかお話する機会がなく、半年前軽井沢でのミニコンサートに参加した際に、偶然、柳沢さんからお声をかけていただきました。
 ちょうど一ヶ月前の軽井沢フェスでは、土曜日の最後のバンドで一緒に演奏させていただきました。 その後も「ブルーグラス」を和訳した「青草友人」という題名のメールを頂き、今後一緒に演奏をする機会を増やしましょうと話している最中でした。
 軽井沢フェスでは、「風邪を引いて頭痛がする」と言いながら、笹部益生さんと三人で朝方3時までギターを弾いたことが最後の出会いとなってしまいました。 翌日の朝、少し疲れた様子でしたので、1ヶ月前の話で無関係とは思いつつも、そのとき無理に演奏に引きずり込んでしまったことが体を壊された原因ではなかったか、悔やむ気持ちも沸いてきます。
 ブルーグラス界でいろいろな人と話す機会がありますが、やはりボーカルを取る人間としてはボーカリストに声をかけられることが一番うれしい時です。 ブルーグラスを代表する柳沢さん、笹部さんの二人の尊敬するボーカリストと一晩ブルーグラスについて語ることが出来た軽井沢フェスの出来事は、大変楽しいひと時であり、残念ながら良い思い出となってしまいました。
 特に気取るわけでなく、聞きやすく丁寧な柳沢さんのボーカルは、私の今後の目標です。 気持ちよく一緒にコーラスができるすばらしいボーカリストでした。 もっといろいろなことを教えていただきたかったです。
 つい先日まで元気な様子を見ているので実のところあまり実感が沸いてきません。 きっとメールを送っても、返事は返ってこないんですよね。
 短い時間でしたが、柳沢さんから得たことを自分の歌に引き継いでいけたらと思っています。 この半年間の柳沢さんとの出来事はとても不思議なめぐり合わせのようなものを感じております。 勝手な解釈ですが、何か自分にメッセージを送ってくれた、そんな気がします。
最後にいただいたのが「ボーカリストとして十分素質があると思うよ。がんばってください」という言葉です。 今後、自分が歌い続けて行く、心の支えになると思います。
ご冥福をお祈りいたします。