その6:SPD-16K

yhsdiary2006-09-27

2001年、クッズタウンにあるマイクとポーラの店”Meadowood”にギターを買いに行きました。もちろんお目当てはマーティンD-18。 現地(ペンシルバニア)で新品のD-18を買うとおよそ$1600(安い)。 その上マーティンのお膝元で購入できるというのは、大変恵まれた環境でした。 マーティン工場でも購入できたのかもしれませんが、土曜・日曜は工場は休みなので、結局工場を見学するチャンスがありませんでした。 マーティン工場はNYCからほぼ真西に車で2時間弱のデラウエア川の近くペンシルバニア側の静かな街ナザレスにあります。 近くまで行った際には是非訪れてみてください。 工場見学は平日のみで予約が必要です。 
 Meadowoodでの楽器探しの話に戻ります。 店には店主のマイクが気に入った楽器がたくさん並んでいましたが、残念ながらD-18はその日はありませんでした。 店の楽器を一つ一つ見ていくと、見たことが無い綺麗な楽器がありました。D-18とD-28を足して2で割った風貌ですが、指板にはキャッツアイやスノーフレイク(花柄?)のインレイがあり、サウンドホールの回りも貝パールで装飾が施してありました。 サイドとバックにはコア材が使われていて、見ているだけで美しい楽器でした。 これはD-16のスペシャルエディションでサイドとバックにコア材が使われているということから「SPD-16K」と命名されていたました。 ネックが細めで大変弾きやすい! ボディーの鳴りが良いためライトゲージでも十分大きな音が出ました。 D-28より少し軽めでD-18ほどは軽くはありません。 私より先に家内が楽器を気に入り、即購入の交渉。 マイクも昨日マーティン工場から手に入れたばかりで、当分店の看板にしようと考えていた様子で、誰にでも売りたくない雰囲気! 1時間ほど楽器について話をして、楽器を大事にするならOKということで譲り受けました。 購入価格はD-18より少し高く、$1800ほどだったと思います。
アメリカでジャムをしていると、多くの人から声をかけられるほど現地でも珍しい楽器でした。 私も自分の楽器を含めてSPD-16Kは3本しか見たことがありません。 新大久保の黒澤楽器で数年前に唯一日本で1台。 昨年Meadowoodを訪れたときに1台(下の写真はそのときの写真です)。
オリジナルのケースはアメリカからの輸送中に残念ながら一部破損してしまったため、日本に戻ってから水道橋のオンザボーダーで真っ白のカールトンケースを購入。 これもデルマッカリーがもっていた真っ白なカールトンケースが気に入り家内が選んだものです。 日本では真っ白なカールトンを持っている人が珍しいのでとても目立ちます。 最近はなれましたが・・。
運命的な渡米と運命的な楽器との出会い。 人生は時に想像を超えた出来事が起こるのが楽しいですよね。 もちろん多少はこつこつと努力もしていますので、自分からつかんだ出会いでもありますが・・・。