その5:感動のブルーグラス生演奏

レコードでしか聞いたことがないブルーグラスを生で初めて聞いたときは感動して一晩眠れなかった覚えがあります。
当時はインターネットなど普及していない時代のため、情報誌"ぴあ"で、どこに行けばブルーグラスを聞くことが出来るのかを調べました。 学生の頃は、値段も手ごろで大学からも近かった今は亡き"神田ブルーグラスイン"によく行ったものです。 当時、特に印象に残っているバンドは、"モーニンググローリー""ウエストオブザムーン" "レッグマンション" "ヒアーズフォーゼアーズ"ですね。
モーニンググローリーは、女性だけのバンドで、女性が演奏するブルーグラスを始めて聞いた新鮮さは今でも忘れません。ビートルズのナンバーを演奏していたのが印象的でした。
エストオブザムーンの演奏した"Bluebirds are singing for me"は、レコードで聞く演奏そのものでとても感動しました。その時ブルーグラスフェスの存在をはじめて知り、その夏には初めて千葉フェスへ行く切欠にもなりました。 その年の千葉フェスで雨の中で聞いたTDLでも演奏をしていたパットクラウドさん率いるバンドは圧巻でした。 特に私と同じ年(当時19歳)のギター演奏は素晴らしかったです。 先日TDRで演奏した際の情報では、パットさんは日本が好きでこの冬までTDSで演奏していたが、体を壊して帰国してしまったそうです。 体調が戻ったらまた是非日本に戻ってきて欲しいですね。
レッグマンション(多分こんな名前のバンド)は、リーダのマンドリンの方の乗りがよく、机の上に立って演奏していた以外は残念ながら曲の記憶など全くありません。 覚えているのは、この日が7/7で、同じ日にバッサークレメンツが都内でライブをしていたため店がガラガラだったことです。 バッサーのライブに行きたいのに、自分のライブがあって、少しやけになっての演奏にも見えましたね。 ところどころで「お前ら早く帰れ」みたいな話もあったような・・・。
ヒアーズフォーゼアーズは、"自分たちはメタルグラスだ"という紹介の通り、音を歪ませた、それまでに聞いたことのない新しいジャンルのブルーグラスでした。 その日は、バンジョーの方が"イカすバンド天国”用にバンジョーをリペア中ということで、原さとしさんが加わっていました。 演奏もすさまじかったのですが、原さんのウィーアーザワールドの物まねが一番印象深かったです。 後に現在のYHSのベースになる渡貫が、目の前で、まるで原さんの"桜"のように大笑いしていたことは、その日見に来た記憶がある人は覚えているのでは・・。 最後には、ヒアーズの皆さんに囲まれて、お前も来月からブルーグラスインで演奏しろと半ば強制的に演奏の約束をさせられそうになりましたが、残念ながらブルーグラスインでの演奏が実現することはありませんでした・・。
その他のバンドでは、我々のサークルの大先輩である高橋義郎さんの演奏を何度か後輩たちを連れてロッキートップへ見に行ったことがあります。 高橋さんの歌う「砂に書いたラブレター」は大好きな曲のひとつです。  
当時貧乏な学生にとっては、ライブを見に行くことは一大イベントであり、感動を得る貴重な場所でした。
・・・もう18年近く前の話です・・・。