その4：小淵沢の牧場ライブ

　初期のYHSは、ブルーグラスフェスやライブハウスでの演奏は行わず、演奏というと小淵沢の有名な牧場、ラングラーランチや隣のやまなみ牧場を訪れていました。　たぶん初めて小淵沢で演奏を行ったときの写真が添付の1枚です。　
　その後、たびたび小淵沢で演奏をしましたが、訪れるたびにいろいろな経験をしました。　ラングラーランチはほぼ毎日有名人が訪れるので、行く度に当然たくさんの芸能人と遭遇しました。　内藤がフィドルを始めたばかりの頃、少し離れたところから二人のウエスタン系の服をきた男性がずっとこちらの演奏を見ていたことがあります。　目を凝らすと、それはバイオリニスト古澤巌さんと俳優の辰巳琢朗さんでした。　それに気がついた内藤が、めちゃくちゃ緊張をしながらフィドルを弾いていたことは言うまでもありません。　
　また何年か経って、やまなみ牧場のログハウスで演奏をしていると、小柄な男性が子供用のタンバリンで演奏に加わりだしました。一瞬「これはなんかやばいか？！」と思いましたが、楽器がちゃちな割には乗りがすごく良い！　その場を仕切って、楽器のソロまで回している。　元キャロルのドラマー、ユウ岡崎さんでした。　その後ユウさんにはとても親切にしてもらいました。　ユウさんは、キャロルで有名になった後も音楽の勉強のためにアメリカに渡るなど、努力を惜しまない大変尊敬できる人です。
　4月の後半に小淵沢を訪れたとき、突然大雪が降り、数時間後には30cm近く雪が積もったこともありました。　周辺の道路は、突然の雪で大渋滞。　我々の車はオフロード仕様で雪も平気でしたが、まさか4月になってコタツでうずくまることになるとは思いませんでした。　
　学生の時、その頃はまだYHSに加わって居なかった渡貫を小淵沢に連れていったことがあります。　もちろんそのままライブに突入。　二代目ベーシスト渡貫誕生の瞬間です。　堅実なピアニストだった彼がたぶん初めてベースを弾いたステージでした。　渡貫の回想：「ベースとアンプを運ばされて嫌な気がしたんだよなぁ」、「曲も知らないのにコードだけ言われて・・・」。　それでもステージをしっかりこなした彼は流石です。　これはスパルタ教育が実った貴重な例です。　ベーシストを育てるときには参考にして下さい。　今彼は、YHSの精神的な柱であり周囲からも評価されるベーシストに成長しています。