アメリカの会社#3

 アメリカの会社は、効率的で会議などで時間オーバーということはほとんどありません。 「自分に関係ない会議」と思えば参加も退出も自由。 時間はきっちりしているのですが、かといって打合せ自体はそれほど堅苦しい訳でもなく雑談もあります。 でもなぜか時間は長くならないんですよね。
 みんなが忙しいときはランチミーティングと言って、食べ物をデリバリーして、昼食を取りながら打合せというのもよくありました。 ほとんどの場合、食事はピザでしたね。 お昼の時間には各自食事を持込んで、”タウンミーティング”と言うのもありました。 ”タウンミーティング”って未だにうまく説明できないのですが、話す内容は、「会社生活のこと」とか、「生活環境のこと」とか、気楽な座談会なんですけど、話す人も、聞いてる人もハンバーガーやサンドイッチをほおばりながら打合せと言うのは、ちょっと私には馴染み難かったですね。
 普通の会議に食事を持ち込むのも自由。 コーラを2Lボトルで飲んでる人や美味しい匂いをさせてソフトプレッツェルを食べている人もいて、始めの頃は人間観察に気を取られて会議に集中するのが大変だった覚えがあります。 
 送別会や昇進パーティなども、日本では定時後に飲み会ですが、これも昼にやることが多かったです。 昼休みという時間帯もきっちり決まっているわけではないので、11時から2時くらいの間で、隣町の地ビールを作っている”クッズタウンタバーン”や地元で人気の”サンセットグリル”というお店に集まることがありました。 飲み会は昼にやって、定時後は家族との時間を大切にするというスタイルですね。 もちろん近い仲では、定時後家族同伴で集まることもありましたけどね。
 アメリカと日本の生活を比較してとても不思議なのですが、アメリカの時間は日本の1.5〜3倍くらい長く感じます。 朝6時に起きて、近くを散歩して、食事をしてからゆっくりコーヒーを飲んで時計を見てもまだ7時前だったりしますが、日本では6時に起きて、まだなにもしていないうちに、もう会社へ行く時間になっていたりします。  アメリカは夏時間があったり、帰りも早いので、仕事後も、まだ外は明るく十分余暇を楽しむことが出来ます。 日本では、「週末何しようか」と思って、忙しい仕事も週末を励みに頑張りますが、アメリカでは、「今日何しようか」と考えて過ごすことが多いです。 気持ち的に週末を待つことが無いので、一週間がゆっくりたっぷり有意義に使えることが気持ちをのんびりさせて時間も長く感じるのではないかと私自身考えているんですけどね。 
 毎日余暇があると考えると、仕事も無駄なく効率的に済ませようと思いますし、仕事の励みや姿勢も断然違ってきます。 そういう仕事環境がアメリカの効率の良い仕事を生み出していると感じます。 仕事をたくさんしているアメリカ人は、それ以上にたくさん趣味をもって、いろいろな遊びを楽しんでますからね。
 帰国して、日本でも実践しようとしましたが、やはり日本には独自のスタイルがあるので、いつの間にか自分も日本式に戻ってました。